シリーズ2
マルタ原産の、古代犬の趣を色濃く残す美しい犬。マルタは、イタリア半島の先、ちょうど地中海の真ん中あたりに浮かぶ島々の共和国。ファラオ・ハウンドは紀元前2000〜3000年の古い時代に、地中海の海上交易で栄えたフェニキア人がエジプト方面からマルタに連れてきた。島という隔絶された環境で、古代の犬の純粋性が保たれ、現代に残ったとされる。
1930年代にイギリスに連れてこられ、世界にその姿が知られるようになった。そのときにエキゾチックで神秘的な「ファラオ・ハウンド」という名前を与えられたのである。地元では「ケルブ・タル・ファネク」と呼ばれている。マルタ語で、ケルブ=犬、ファネク=ウサギ。つまりウサギ狩りに使われてきた「ウサギ犬」という名前が本名。その名のとおり、岩場の多いマルタの島々で、俊敏にウサギを追うことのできる素晴らしい身体能力を持つ。たっぷり運動が必要な犬だ。
ファラオ・ハウンドの迅(じん)は、5歳のオス。同じマンションに父犬が住んでいるのがご縁でやってきた。膨大な運動欲求を満たすために、ドッグレース競技に出場したり、ドッグショーにも参加したりと、飼い主さんは犬に刺激いっぱいの生活を与えている。
カッコイイなぁ。サラブレッドみたい。
触り心地もいい。ずーっと触っていたくなる。ほんと、きれいな犬だなぁ。
RG : フセしている姿勢が、すごくエジプトっぽい。
いいですねぇ。きれいですねぇ。フセの姿勢を上から見ると、鹿みたい。しなやか。
上から見たらこんな感じ
運動しているところを見てみたいですね。原産国では実猟で使われている猟犬ということですが、実際に獲物を追っている姿はどんなにすごいんでしょう。
でも日本で飼ってみるとどうなんですか。落ち着いた犬に見えるけど、吠えたりする?
敏感なので、よく相手も見ていないうちから警戒して吠えちゃうこともあります。打ち上げ花火などもキライです。
RG : なるほど、敏感なんですね。でもトレーナーさんに習っている賜物でしょうけど、この子はこうして知らない僕らが来ても、これだけ落ち着いているのはいいですね。
なでられて寝ちゃいました。
ドッグレース競技で走るなど運動能力は高いですが、家ではだいたいいつもこんな感じで、おとなしいです。(日本のショーの世界では、ファラオ・ハウンドはサイト・ハウンド<視覚ハウンド>の仲間ではなく、プリミティブ・ドッグ<原始的な犬>のグループに分類されているが)、サイト・ハウンドも家ではおとなしいと聞きますけど、この子も家ではまったりしてて猫みたいです。
RG : 君みたいなカッコイイ犬が、家でまったりしてくれるっていうのは嬉しいな。外では活発で、家ではまったりって理想的じゃないですか。ソファーのとなりにはべらせて、ずっと触って撫でていたい。だけど、僕は犬の散歩はいっぱいしたいから、ちょうどいいな。
この子の趣味は、昼寝です(笑)。
RG : かっこいいけど、昼寝好き!いちばんいいじゃないですか(笑)。オンオフがある犬は飼いやすいそう。
撮影中も大あくび!
引き綱が軽い。本当にちゃんとしつけが行き届いてる。
体高が高いから、重心が高いですね。歩きやすい。でも、ふとしたときに身体能力のすごさを感じます。引っ張るというより、跳ねる感じ。ダッシュ力がありそうですね。
RGが持っていたおやつに向かってジャーンプ
それにトレーニングがされているせいか、芸達者。僕にもお手をしてくれたり、ジャンプしてくれたり、なんか嬉しくなる。「あ、いいんですか、僕でも。僕が飼ってもいいんですか」って思っちゃいます。
お手はまさに、おてのもの
ご挨拶もできちゃいます
大ジャンプ!!!
「他人にはそっけないけど、飼い主がいればいい」という性格、いいですね。孤高の犬っていう雰囲気がする。僕が飼っていたコーギーは他人にもフレンドリーすぎて……もちろんそれも可愛いんですけど、けっこう散歩が大変だった。みんなに挨拶しすぎもちょっとね(笑)。僕も年をとったのかな、ふたり(ひとりと1頭)だけがいればいい。「ふたりでいこうな」って声かけて。いいな〜(妄想中)。
©RG
普段の生活では狙わないけど、祖先たちはこの目で獲物を狙っていたんだ。
どこか遠くを見つめる目。
「オトコの犬」という感じだね。俺が連れててもいいの?とか思っちゃうけど、イタリアン・ファッションに身を包んで、かっこよく歩きたい。こんなクールな犬と暮らしたら、ライフ・スタイルや洋服の趣味まで変わりそう。
さあ、次はどんな変わった犬、見たことのない犬に会えるかな。楽しみ!
ファラオ・ハウンドを撮るのにすっかり夢中で、床に寝転がって激写!
犬の学園 ファミリーナガーデン
〒107-0062 東京都港区南青山6-15-4 プラウドフラット南青山B2
【学園生活をエンジョイ!お泊りしながらしつけもできる】
2007年に「日本の犬のしつけを世界に通用する文化に」という思いで設立された犬の学園。
一時預かりサービスやホテルもあり、宿泊もできる嬉しい施設。と言ってもここは学園。
"お泊りようちえん"として、ホテルに宿泊しながらもしつけを学ぶことができる。
しつけはプロのトレーナがしっかりとやってくれる。
ゲージの二段重ねはしない、衛生面の徹底など、心地よくお泊りができる環境が嬉しい。
大阪ではコーギー(享年9歳)と暮らしていたが、東京では住環境の制約もあって、いまは犬との生活を我慢中。「コーギーは抜け毛がすごかったけど、それを除けば(笑)最高に賢く、いい犬」と思い出を語る、本物の犬好き。