プリンセス天功さんインタビュー
天功 : 向かって右が「王王(ワンワン)」。この子は中国の宮廷犬で、あの西太后の愛犬の末裔です。私が犬好きだいうことで中国政府がプレゼントしてくださいました。そして左の子は「クレムリン」。ロシア原産のロシアン・イズベニスチャ・ボロンカという種類の軍用犬。10年ほど前、ロシアで宇宙旅行の訓練をしていたときに「頑張っているご褒美に」ということで、プーチン大統領がプレゼントしてくださいました。
王王(ワンワン)は真っ白なふわふわな毛が印象的!
天功 : そうですね、ほかには北朝鮮の故金正日総書記には、北朝鮮で天然記念物に指定されている貴重な犬「豊山犬」をプレゼントしていただきました。この子は今も元気で我が家で暮らしていますよ!ルイ・ヴィトンの5代目当主パトリックも仲良しの犬友達。会う度にお互いの犬自慢で盛り上がっちゃいますね(笑)。犬好きの人のハートは万国共通。「犬が好き」っていう共通点があるだけで、どんな国の方ともすぐに打ち解けられます。
クレムリン
天功 : もちろん!毎回新しいイリュージョンを考えたら、実際にステージで演じる前に必ず犬たちに見せてチェックしてもらいます。犬たちはウソをつきませんから、反応はとってもストレート。例えば私が突然目の前から消えるイリュージョンを見て犬たちがビックリ仰天したら、イリュージョンは大成功ということ(笑)。その意味では犬たちも私の仕事に欠かせない、パートナーですね。
天功 : 基本的には私がすべて行っています。一週間以上家を空けるときは行き先がどこであれ、みんな一緒に連れて行くようにしているんですよ。東京の家には犬3頭、ネコ5頭がいますから、移動は大変ですが、長く離れ離れになるのは私にとっても犬たちにとってもよくないことだと思っています。最近では犬たちも移動に慣れてしまって、出発前にはトイレを済ませて準備万端で待っています(笑)。
留守にするのが1週間以内の時は、お手伝いさんに私と全く同じ洋服を身に着けてもらって、私の代役をしてもらっています。飼い主と同じ格好をしている人だと、動物たちも安心するみたいです。
天功 : 何より大切にしているのが、毎日の食事です。フードやサプリメントは、世界中から良いものを厳選し、犬種や年齢に応じて使い分けています。そして食後には、野菜と鴨肉でしっかり出汁をとった栄養たっぷりのスープを欠かしません。このスープ、海外の犬友達が『犬には鴨肉がイイのよ』と教えてくれたので始めたのですが、確かに毛艶がすごくよくなりましたね。
また、予防に勝る治療はないと思うので、月に1度の定期健診も欠かしません。獣医の先生に自宅まで往診してもらい、健康状態のチェックと必要があれば投薬もしていただきます。耳や歯のクリーニングも定期的にしていただいています。
犬たちの食事はもちろん、クレムリンの編みこみも天功さん自身で!
天功 : う~ん、家族というよりは友達のような存在ですね。すごく対等な関係なんです、私たち。私が彼らを叱ることもあれば、彼らから「こら!」って私が叱られることもあるし(笑)。
天功 : ええ。動物って一日の行動スケジュールをしっかり把握していて、そのスケジュールが狂うと抗議してくるんですよ。たとえば明るくなっても私が起きてこないと「こらこら、もう起きる時間でしょ」って起こしに来るし、食事の時間が少し遅れると「ごはん、忘れてない?」って注意しにくるし(笑)。でもそのおかげで、私もすごく生活が規則正しくなって健康でいられるのかもしれないですね。
天功 : いいえ。この子たちは人前に出ることも多いので、自分で空気を読んでオン・オフを切り替えているみたいです。もちろん、時には調子に乗ってイタズラをしちゃうこともありますよ。そんな時には、とっておきの効果的な叱り方があるんですよ。それは「叱るとき用の名前」を付けること。怒った口調で「〇〇(犬の名前)!」と言っても、犬は「はて?僕の名前を呼んでいるのかな?」くらいにしか思いませんが、叱るとき専用の別の名前で叱ると、すぐに「あ、今自分は叱られているんだ」って理解できるようになります。
インタビュー中2頭の愛犬はすっかりリラックス。天功さんが座ると落ち着くのだとか。
天功 : 私たちの間だけで使える「オリジナルの手話」を使っています。例えば「早く移動して」「こっちにきて」などの指示を私の指の動きで理解してくれるように教えているんです。公の場で周囲の人たちに迷惑をかけずに犬たちと会話したいときにとても便利。また、1頭だけ具合が悪くて寝ている犬がいるときも、手話ならそのコを起こさずに他のコに指示を出せるのでいいですよね。
天功 : 私自身、これまで本当にたくさんのギフトを動物たちから与えてもらいました。もちろん動物たちはその見返りなど求めていませんが、私も動物のために何かしたいと思って、様々な愛護活動に参加しています。
今、特に力をいれているのが、セラピー犬やレスキュー犬など社会で活躍できる犬の育成です。実際にセラピー犬と一緒に施設や病院を慰問することも多いのですが、皆さん、本当に喜んでくださいます。痴呆症で無表情になっていたお年寄りに犬を触ってもらうと、にっこりほほ笑むようになったり、難病で寝たきりの少年に犬を触らせたとたん反応を見せたり…、いろいろな成果が上がっています。レスキュー犬は地震などの災害時にがれきの下から人を助け出すことができる、とても頼りになる存在です。
こうやって社会で活躍できる犬が増えると、犬に関心を持つ人が増えるでしょうし、犬を好きになる人も増えると思います。そしたら、日本も犬たちにとってもっと暮らしやすい国になるんじゃないかなって期待しているんです。日本はまだ動物愛護の点では欧米の国々に後れを取っていますが、少しずつ状況を改善できるよう、私もささやかですがアクションを続けていきたいと思います!